ドイツのテクニカルドリル
テクニカルドリルとは
日本でもドイツでも乗艇したらまず始めに行うのがテクニカルドリルです。
ボートをあまり知らない人のために書くと、テクニカルドリルとは、ボート競技は全身を使って行うスポーツなので、身体の各部位を分けて動かし、練習の最初に一つ一つの動きを確認する目的とさらなる技術の向上のために行います。(もちろんウォームアップも兼ねていますが)
ドイツに来るまでのテクニカルドリル
テクニカルドリルは日本でもチームによって様々な方法がありますが、ドイツも同じです。自分は今まで次のようなドリルをしてきました。
中学生のとき:①腕こぎ→②上体漕ぎ→③ハーフスライド→④フルスライドでした。
高校生のとき:①腕こぎ→②上体漕ぎ→③オンリーレックス→④ハーフスライド→⑤フルスライド
大学生のとき:①腕こぎ→②上体漕ぎ→③ハーフスライド→④フルスライド
※なお、上体漕ぎとは “腕付き” の上体漕ぎを現します。
が基本だったと思います。高校生のときの記憶が曖昧で違っていたらすみません。中学生のときと大学生のときが同じなのは自分の父も日本大学ボート部出身なので同じなのだと思います。まーもっともこの4種目がオーソドックスなのもありますが。
ドイツのテクニカルドリル(RTHC編)
ではドイツではどのようなテクニカルドリルを行っているかというと次のようになります。
①腕こぎ→②上体漕ぎ→③後ろ1/4漕ぎ→④ハーフスライド→⑤後ろ3/4漕ぎ→⑥フルスライドでおよそ10~15本ずつ漕ぎます。
自分の所属チームでは、特に変わったものもなくこのドリルは日本でも行っているチームもありそうですね。
ドリルの感触
ドイツのテクニカルドリルはどちらかと言うとゆっくり目で行います。自分が日本で漕いでいたときの腕こぎや上体漕ぎのときより2~4枚ほど遅めでしょうか?日本のときもそうでしたが、クルーや気分によってはこのドリルにスクエアブレード(ノーフェザー)をプラスしてで行うこともあります。
その他のテクニカルドリル
これ以外にも、技術的な課題があるときは、他のテクニカルドリルを行うこともあります。
日本でも一般的な “前1/4漕ぎ” “腕こぎからのUT” “スクエアブレード漕”を行うことも多いです。
これに加えて、最近よく行っているのが、
1つめ:①ドライブ→②フィニッシュで休憩→③フォワード→①ドライブ(ブレードターンあり&なし)
2つめ:①ドライブ→②リカバリーポジションで休憩→③フォワード→①ドライブ(ブレードターンあり&なし)
3つめ:(上2つの組み合わせ)①ドライブ→②フィニッシュで休憩→③ リカバリーポジションで休憩→④フォワード→①ドライブ(ブレードターンあり&なし)
それぞれ、①ドライブ→②ドリル→③ドライブ→①ドライブ→②ドリル…とノーマルローイングを入れることもあります。小艇ではドリルが連続すると艇速が落ちてバランスが取りにくくなるのでドリルをやってノーマルローイングを挟むことがほとんどです。
自分もこっちへ来てから、フィニッシュに課題があったので1つめのドリルを多くやるようになりかなり改善することができました。
少し変わったテクニカルドリル
いまから紹介するテクニカルドリルはあまり行いませんが、さすが本場らしいというところでしょうか。
①ドライブ→②フィニッシュで休憩→③リカバリー→④フィニッシュポジション→⑤フォワード→①ドライブ
テクニカルドリルを行う上で気をつけたいこと
どのテクニカルドリルにも言えることですが、しっかりと休憩するポイントでしっかりとボディーフォームを作る&確認することです。例えば1つめのフィニッシュで休憩するドリルを行う場合、ブレードは水中から垂直に抜くことを意識して、どちらかと言うと胸を張る感じのボディーフォームを意識することです。このように意識せずにドリルをやってもドリルは運動強度も低いので普通にローイングしている方がよっぽどましです。
ただ、クルーボートでテクニカルドリルをやるのは頭も使うので面白い。こっちへ来てからエイトには乗っていませんが、クォドやフォアのとき、UT中にテクニカルドリルを入れることが多く、通常バウがコマンドを言いますが、最初の10本はコマンド付き、後半10本はコマンドなしですると、少しでもぼーっとしていると遅れたり、他の人に釣られて間違えたりします。段々とこれが修正されてビシッとシンクロしたときは気持ちいいですよね?(ボートをやっている人なら分かるはず)
文章でボディーフォームとポジションの説明をするのは難しく、うまく伝わらなかったかもしれませんが、参考にしていただければと思います。
One thought on “ドイツのテクニカルドリル”