ドイツのレガッタ -その3
まず、お詫びと訂正です。-その1を書いている時点で2部構成ぐらいで収まるだろうと構想していたのですが、-その2を書いている時点でこのままだと5000文字を超えるわ!ということに気づき -その3まで続きます。すみません。
全くボートに関係ない話題なので本編へスキップしてもらって構いません。↓↓↓
話がそれて申し訳ないですが、なぜ、文字数が多いのがいけないかというと、自分のサイトをスマホで覗いたとき、文字ダーーーでいつまでスクロースしなきゃいけないだってくらい長かったので、読みやすさの観点から一記事3000文字程度に今後していく予定です。
レース編
いよいよ、レース前までやってきました。長々とここまでお付き合いいただきありがとうございます。
レース3時間前
さて、本題に入っていきますが、会場まではよほど遠方ではない場合、基本は当日の朝、全員のレース時間が近い場合はクラブに集合してバン(ミニバス)で行くことが多いです。ただ、午前のレースの無いクルーは午後選手同士で乗り合わせて行ったり、電車の方が便利なときもあるのでレースの3~2時間半前に会場に着くように向かいます。レース時間に合わせて会場に着くように行く方式は、朝ゆっくり休むことができたり、会場で長時間待つ必要がないのでストレスを少なくしてレースに臨むことができます。(ちなみに、リガーを当日の朝に付けなければならないときはもう少し早く会場に到着するように出発します。)
会場に到着
レース直前の流れは、1時間半前ぐらいから少しずつ身体を動かし、1時間前にコーチとミーティングします。まーこの辺の流れも日本とほぼ変わらないですかね? コーチは基本的にミーティングの時間の指定以外他の流れに関してはすべてクルーや個人の判断で行動します。だから大学生や高校生ぐらいになると、特にこれをしなさいといったウォームアップの方法もありません。小・中学生のような子供やジュニアの選手はコーチが『ほら、アップの時間だから早くしなさい』とか『ランニングをしてストレッチをして』といったような指示を受けて動きます。これは、どこの国にも共通することなんですね。(それでもなかなか動かず、ずーーーとおしゃべりに勤しんでいる子もいる笑)
バウナンバーはレンタル
ドイツやヨーロッパのレースでは日本の一般的なレースのようにバウナンバーは各自で用意ではなく、基本的にデポジット制のレンタルです。 一般的には10€で高いところでは20€です。(20€はドイツ人もびっくりなデポジット代)基本的にローイングをしている選手がそういうことをしない、するわけが無いと思いたいところですが、このプレートを窓口に返しにいけば10€戻ってくるわけなので、ボートにつけっぱなしやその辺にほったらかしにしているといつの間にかなくなることもあるので要注意です。
また、バウナンバーの役割も日本と大きく異なります。大会にもよりますが、例えばある種目に20クルーのエントリー数がある場合、1~20番クルー番号なるものが与えられます。そのクルー番号がバウナンバーに反映されます。また、その番号は予選から決勝まで引き継がれます。ちなみにこの番号は今ままでの戦績をもとに、強い順に1から振り分けられることが多いです。(ランダムのときももちろんあるし、経験値が無い場合は1番下の番号になることも。)
レース前のミーティング
ミーティングでは、コーチからレースプランやレースで気をつけることに加え自分がこのレースで何をしたいか、どこを気を付けたいかなどのコミュニケーションを取ります。ミーティングについてはそこまで取り上げることもないので次に行きましょう。
レースプラン
2000mのレースプランは日本にいたときや代表で活動とほぼ同じで、前半は抑え気味で後半の1000mを更にスピードアップしていくそして、ガツンとラストスパートを仕掛けるといった流れです。レースプラン公開しちゃうの?って思うかもしれませんが、ローイングの世界でこの2000mレースプランは一般的で、イタリアのようにスタートからぶっ飛ばして、あわよくばそのまま1位でゴールするといったたまに番狂わせもありますが、おすすめされていません(よね?)。一つ日本とドイツの違いをあげるとすれば、ドイツは日本よりももっとゆったりしたスタートすることでしょうか。U19で世界ジュニアに4×で出場したときに、スタートから250mは1位が取れ、意外といけるんじゃないかと思ったのですが、その後追いつかれ結局めちゃくちゃ離されてゴールと言う結末でした。日本は割とスタートで飛び出すことはできても、その後・・・という形ですよね?大学のときも『スタートはあくまでその後のコンスタントに繋げる助走であって競うところでは無い』とコーチに言われてきましたが、まさにそうで、それは意識していたのですが、それでも結果的にスタートで飛び出すことが多かったかなって思っています。シングルスカルはボートも軽いのでともかく、4人乗りやエイトとなってくると初動にもっともパワーを必要とします。だから、そこでいくらパワーを使ってもその後1750mも漕がなければいけず、最初の250mでパワーを出しすぎることはエネルギーの無駄遣いです。ドイツでは特に最初の3本は本当にゆったりとしたローイングで4本目5本目でやっとレートとドライブのスピードがMAXに繋げていくそういう流れです。
1000mレースに関しても2000mレースと基本同じで、レートがもっと速いというぐらいで皆さんご承知のとおりだと思います。
さー、いよいよ水上へ!
水上へ行く前にはクラブのメンバーや知り合いなどから『Viel Erfolg』や『Viel Glück』(=ドイツ語で”頑張って”や”幸運を”という意味)と声をかけられます。これも、日本と共通していますね。
水上にはレースの30~40分前に、ダブルエントリーをしていると20分前のときもあります。見ている方は面白いけど、ダブルエントリーしている側は死にそうになっている笑
ウォームアップもとくに特別なところもなく、テクニカルドリル→UT→10本ほどのパドル→スタート練習(→UT)の流れです。
スタート位置へ
@ Internationale Wedau Regatta 2019
Site: MEINRUDERBILD.DE
スタートに着くと、握手文化のある欧米らしく、前後の選手と握手をして『頑張ろう』と意気込みます。
ドイツではほとんどのコースで信号式発艇システムが導入されていて、世界選手権などを実施したこのあるコースでは “Start System” が導入されている先進的なコースも多くあります。
レースが終わったら
レース中のことは『漕ぐのに必死という』言葉だけで十分でしょう。
ということでレースが終了し順位によっては表彰式があるわけですが、ドイツボート連盟と州ボート連盟主催の大会では1~3位それぞれにメダルと1位には証明書が授与されます。クラブチーム主催などの非公式レースでは1位のみメダルが授与されます。これもドイツの効率主義の象徴?
さー、お家へ帰りましょう
自分のコーチはせっかちなタイプなので急いでリガーを外して、トレーラーに積込み、シャワーをササッと浴びて、会場をあとにします。(まーせっかちなタイプのコーチには慣れているので自分自身気にはなりませんが笑)
トレーラーはコースで切り離し、その日は片付けをせず、OFF明けの火曜日に片付けをするのが通例です。(次の土日までずっとトレーラーにボートを放置しているクルーもいる自由なドイツです。)
さて、お家についたところで、第3回にわたってお送りしてきた『ドイツのレガッタ』も終わりになりますがいかがでしたでしょうか?読者のみなさまもお疲れさまでした。
乾杯『プシュ』🍺(あー、ドイツのビールうまい!)