ドイツの漕ぎ方 ―その1
ドイツに来たからにはドイツの漕ぎ方、そのクラブの漕ぎ方と言うものがあります。日本でも良いか悪いか別にして、それぞれのクラブで漕ぎ方が違うのと同じです。今回はあくまで今まで自分が日本で教えられてきた感覚と比べて書いています。その点をご理解ください。
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ドイツはどんな漕ぎ方?
ドイツの漕ぎ方は感覚的に日本と比べて、前が短く、軽い感じのリズムで漕ぎます。自分は今まで日本で漕いでいたとき、ドライブをいかに長く漕げるかという感じでコーチングを受けてきたと思っています。そして、中学校から高校、高校から大学と約10年間のローイングの中で様々なコーチングやチームの方針を経験してきた中で、全体的に言われてきたことが、”一本を強く漕ぐ”ことだと思います。 またギザビエさんが来てからトレーニングプランが大きく変わり、一本一本を強く漕ぐという意識が更に強くなっていた気がします。それが良いか悪いかは別にして、一本を強く漕ぐこと=スピード(艇を進めるパワー)なのか時々疑問に思っていました。個人的に以前からパワーで艇を進めるより、より省エネルギー(軽い感じ)で艇を進める方が良いのではという考えがありましたが、それが実際実践できていたかというと、そのときはある程度できている感じがあったのですが、今ほどではありません。言葉で説明して理解してもらえる分かりませんが、今はとにかく、それぐらい軽いドライブやリズムというものを体感することができています。もちろん、日本でコーチングを受けていたときも、軽いリズム、速いドライブをしろということは言われることがありましたが、そのレベルと考えが全然違ったのです。
その中でも、ドイツに来て解決できたことがあります。それは、U19日本代表に選ばれて、ボート競技の中でもエイトに次いで速い種目の4×で本格的にトレーニングやレースを始めた頃から思っていたことです。海外の選手の写真やレース動画を見たときに彼らは艇のスピードとオールのスピードが同じなのです。艇のスピードとオールのスピードが同じことなんて当たり前だろって思われるかもしれませんが、もっと分かりやすく言うとドライブ中のオールが艇のスピードを邪魔していないのです。では、自分たち日本はというと、特にキャッチ周りに関しては完全に艇のスピードにドライブのスピードが負けている、空回りしている感じがしたのです。これはU19日本代表のときに関わらず大学に入ってからも思っていたことです。つまり、端的に言うと立ち上がりが遅いと言うことになります。
キャッチまわりをどう解決・改善された?
では、ドイツに来てこれをどう解決・改善することができたかというと、単純に言葉で表すのは難しいですが、1つめはドライブ中のブレードの深さがかなり浅いこと。2つめはキャッチのポジションが浅いこと。もちろん、この2つだけではありませんが、大きく感じられたところ、日本と異なるところだと思います。
1つめに関しては、日本でもできているチームや選手がいるかもしれません。ただ、以前の自分は100%できていませんでした。というか、ブレードが深すぎるのは良くないけど、浅くすることだけ(ブレードちょうど1枚分)を意識しすぎて逆にキャッチが遅くなってしまうのではないかと考えていたのです。そこをコントロールするぐらいなら、多少深くても速くキャッチしてドライブしたほうが良いのではないかそんな考えだったのです。例えば、シングルスカルの場合そこは大きく気にしなくても自分ひとりなので、スピードを求めていく上では改善はしなければいけないかもしれませんが、とりあえず漕ぐ分には支障ないと思います。ただ、問題なのは特にクルーボートに乗ったときです。4×では特にスピードが速いボートなので、その辺をテキトウにしていると遅れてしまします。だからと言って思いっきりキャッチするわけではなく、かと言って遠慮しながらでもない。ことに限っては数ヶ月意識することでだんだん修正していくしかないのではないかなって思います。また、日本でもそうですが、お金のあるクラブほどSKINNYやARROWを使う傾向にありますが、ドイツでは自立経営型クラブがほとんどなので、資金力があまりありません。そのため、大半は普通の太さのオールを使うことがほとんどです。(SKINNYを買うぐらいなら艇やオールを1セットでも多く買いたい思考笑)それも、あいまってかSKINNYに比べて通常のオールはシャフトが太い分浮力と抵抗が強いためコントロールがしやすいです。だから、もう一度初心者に戻った気持ちで普通のオールを握ることも良いかもしれません。ある意味、SKINNYを握るのはまだまだ未熟過ぎた?って思ったり笑
2つめのポイント、キャッチのポジションが浅いこと。これについては次のチャプターで共通な部分でもあるのでそちらで一緒に書きたいとおもいます。ドイツの漕ぎ方―その2に続く。
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