ドイツで信じてはいけない2大企業 ―その2
信用してはいけない企業?
日本で信用してはいけない大企業って思い浮かびますか?詐欺や犯罪行為をしている悪徳会社ではなくて、一般企業でそこの商品やサービスを使いたいけど、安心できないという企業です。2回分けて2つの会社を紹介していきたいと思います。
第2回目の今回はDBドイツ鉄道(=Deutsche bahn)について書いていきたいと思います。
2. Deutsche Bahn AG =ドイツ鉄道 編
生活していく上で、鉄道は必須の生活インフラですよね。車を持っていても、通勤通学や夜飲みに行ったり、遠出する場合も鉄道が便利ですよね?
ドイツでも国民の足となっている鉄道ですが、通勤時間帯や週末の夕方、深夜は社内もそこそこに混雑します。また、ヨーロッパでは国際列車も多く運行されていて、各国の主要都市を結ぶ高速列車やスイス方面には夜行列車も出ています。
ドイツ鉄道もドイツポスト同様民営化されましたが、100%連邦政府が株式を保有しています。日本では民営化の際、日本を6つのエリアと貨物、技術などの会社に分割されましたが、ドイツでは長距離列車、地域列車、貨物、インフラなどに別けられました。日本は地域、ドイツは設備ごとに分けた感じですね。日本でも、民営化は失敗だったとか色々意見も聞かれますが、ドイツでもどの様に株式公開するか議論の真っ只中です。長くなるので詳しいことはWikipediaでも見てください。
また、ドイツポスト同様ドイツ国内だけでなく、ヨーロッパの地域インフラ事業にも積極的です。イギリスで誕生した “Arriva”(=アリーヴァ)という会社を2010年に買収しました。現在は約15カ国の地域のバスと列車を運行するサービスプロバイダーでヨーロッパで最大の交通インフラ会社となっています。自分からすると、他の国の交通インフラを管理するぐらいなら、まず自分の国の鉄道をどうにかしてくれーって思いますが。
本題!何がそんなに酷いのか
“列車がまともに来ない。”
とにかく、時間通りに運行されない。もう本当に日本の感覚でいると電車を使うたびにストレスを与えられ続けます。だから、ドイツに来たらまず “こころのゆとり” を持ちましょう。
日常茶飯事1 -いつも遅延している。(日本人からすると)
ドイツの生活でも書きましたが、自分も語学学校に行くのに列車を使っています。まーとにかく遅れる。ちなみにドイツの列車は6分までの遅れは定時運行とみなされています。だから、1~2分の遅れは当たり前です。例えば、都市圏ではA列車からB列車に乗り換えるのに2分の乗り換え時間があれば、運が良ければ行けるかもって思って予定を組んだりしますが、ドイツでそれをするとたいてい先の列車は既に出発していることもほとんどです。(両方の列車が遅れていれば別ですが笑)ちなみに、ドイツの列車では10~15分ぐらい遅れても謝罪なんかありません。むしろジョークを言いまくっている運転手もいます。『まー確かにそうなんだよなー!信号が赤なのは運転手はどーすることもできないし、運転手も早く仕事終えたいよなって』
日常茶飯事2 -突然のキャンセル
ドイツの鉄道にももちろん運行情報や経路を調べるアプリがあるのですが、ドイツの交通インフラは共通のシステムでつながっており、1つのアプリでバスから国際列車の乗り継ぎまで調べてチケットを買うことができ、便利なのですが!が、家を出る前にまず電車が遅れていないか確認して、駅に向かうのですが、駅についてしばらくすると、電光掲示板に5分遅れと表示されます。そして、更に定時から5分遅れた時間になっても列車は来ません。次に10分遅れと表示されるのです。アプリで見ると電車は既に発車したと表示されているのですが、それもウソです。15分、20分経っても電車は来ず、しばらくすると、電光掲示板に『この電車は運休』と表示されるのです。『いや、おせえよ!もっと早くからわかってることだろ』と思っているのですが、アプリは複数のシステムを経由してから配信するため、当該列車の発車時間になるまで未来の列車のキャンセルや遅れ情報を上書きすることができないらしく、電光掲示板や駅の自動放送に遅れを知らせるのも人の手でコントロールしているらしく、ぎりぎりになるまで表示されないらしいのです。
日常茶飯事3 -発車番線の変更
日本では、例えば、山手線電車は山手線のホーム、1・2番ホームには東京方面の電車が来る。などほとんど決まっていますよね?
ドイツでもある程度の規則性はありますが、自分の最寄り駅でもたまに、逆の方面のホームに到着が変更になりました。と案内があったり、大きいメインの駅では同じホーム向かい側への変更はもちろん、線路挟んで向かい側のホーム変更になることもしばしばです。こうなると、その電車に乗ろうとしていた人の大量移動がはじまり、階段、エスカレーターは大混雑です。しかも、その案内放送が列車到着の1分前とかなので体の不自由な人とか本当に大変です。
また、よくあるのが、大きな駅では駅にたくさんの列車を停めるために縦列停車することもよく見かけられます。 どこに列車が停まるか分かりやすくするために、ドイツの大きな駅には各プラットホームの先端から終端にかけてA~Gぐらいのアルファベットが設定されています。 だから、電光掲示板には “Gleis 2 A-C”(プラットホーム2 A~C)と書かれています。これによって、この列車はこのあたりに停まるんだなって乗客もそのあたりに待機しているわけです。ただ、いざ列車がホームに入線してくると、かなり手前のD~Fで止まったりすることも多く、いくら近郊列車が短といえ100m以上移動することになるのでプラットホームはカオスになります。
日常茶飯事4 -編成が短い
自分の最寄りの路線では、3両編成の電車と5両編成の電車を2~3組合せて6~10両編成で運用することが基本なのですが、列車も車の様に定期検査や車検で運用に点けないこともあります。もちろん、鉄道会社の方も列車の不足が出ないように、また、通勤時間帯には長い編成で運転することを考えているはずなのですが、朝駅に着いて電光掲示板を見ると、『この電車は半分の長さので到着します。』と表示されているのです。ドイツの生活でも書いたように、自分の最寄りの路線はそこそこの利用客が朝の3本しかないいずれかの電車に乗ってケルンに向かうので大混雑です。そんな中やってきた列車が5両1編成なんてこともあります。極稀に3両1編成ってときも…次の電車がすぐ来るならまだしも、次は30分後とかです。自分は埼京線で鍛えられたので『まーこの程度なら』と我慢して乗りますが、中には諦めて乗らない客もちらほら見られます。(彼ら会社に絶対間に合わないだろうけど、大丈夫なのかなーって思ったり。)
なのに、反対方面に向かう電車はガラガラなのに10両ということも…
日常茶飯事5 -何かと壊れている
ドイツの列車に乗ったことがある人は分かるかもしれませんが、良く扉が壊れているのを目にします。日本はほとんどの車両で引き戸タイプのシンプルな扉が採用されていますが、ヨーロッパ製の車両の多くはプラグドアが採用されています。戸袋を作る必要がないなどのメリットもありますが、構造が複雑なためとにかく壊れやすく、しょっちゅう故障中の紙が貼ってあります。(このドアも遅れの原因)
また、日本だと絶対死亡者が出ると思いますが、去年のドイツは本当に暑く、それにも関わらず、多くの列車のエアコンが壊れていたとかで、ニュースにもなっていました。自分が乗った一部列車では本当に耐えれないぐらい暑かったです。大袈裟じゃなくてこれこそサウナ状態って言うぐらいでした。15分が限界です。
結論
ドイツでは時間と心にゆとりを持って列車に乗りましょう。そうすれば、いちいちイライラすこともなくなります。
あ、それから、長距離列車(ICやICE)は定時運航率は約75%なので、ドイツに来るなら、乗り継ぎ列車には余裕を持って旅程をたてることをおすすめします。東海道新幹線の様に1時間に12本も走っていないで、乗り過ごしたりすると1時間後とかも余裕で考えられますからね。
いかがでしたか?どちらの会社にもイラッとはしますが、慣れてくるとストレスを感じることはなくなるので、日本のようにすべてきっかり、ガチガチもいいですが、ドイツの様に少しゆるく、ゆとりのある生活を心がけるのもどうでしょうか。
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