ドイツの環境問題意識
ドイツの環境意識を考える
皆さんは、ドイツの環境問題に対する意識をどう持っていますか?
早速ですがアンケートです。もしよかったらお答えください。
読者の結果は以下のようになりました。
リアルタイムで反映されます。
執筆時点ではアンケート結果がどうなっているのか分かりませんが、自分がドイツへ来て思ったことは、想像していたよりも環境問題に対する意識は高い割にはに実行できていないというのが正直な感想です。例えば、日本はプラスチックの使用量が多いと言われていますが、例えばドイツでは基本的にシャンプーや洗剤の詰め替えタイプはほとんど見かけませんし、語学学校でゴミの分別に関する各国の情報を見比べたときもドイツ人の先生は日本の方が分別が細かくて面倒くさそうだねと言っていました。また、ドイツは日本と比べても車社会です。 “ドイツ人の特徴” でも書いたように二酸化炭素排出の少ない原発推進国から福島第一原発の事故によって原発廃止政策に舵を切ったがために、石炭火力発電の割合が増えました。
日本よりも個人の意識はある
例えば、ドイツではスーパーマーケットやドラックストア、衣料品店など殆どの店で石油由来の袋は無料配布されていません。基本的に紙袋であっても有料がほとんどなので、みんな常にマイバッグを持ち歩いています。自分もドイツへ来てから常にマイバックを持ち歩くように心がけています。ビニール袋よりたくさん入るし強度もあって手も痛くならないのでおすすめです。また、日本だと野菜や果物、精肉にもプラスチックで個包されていることが多いですが、ドイツではお買得パックを除いて、個包されていません。自分で選んだ野菜や果物を入れる袋も最近、紙袋のものに切り替えが進んでいます。
-節約と削減
ドイツでは、家や公共施設などでも人が居ない場所は電気がついている必要はないのでこまめに消したり、照明の数を減らす取り組みも多く見られます。これは、環境への配慮と共に電気料金が高いのも背景にあると思いますが。ドイツの再生可能エネルギーの発電量の割合は2017時点で約33%に達します。日本は約16%なので約2倍多いことになります。環境には良いかもしれないけれど、発電コストは他の電源に比べて高いの欠点です。ドイツは既に電力自由化が浸透していて、自分の好きな電源を選ぶことができます。東京電力や関西電力のように地元の電力会社を選ぶこともできれば、ほぼ100%再生可能エネルギーで発電した電気を供給している電力会社を選ぶことも可能です。(ただし、価格は高め)
-ただし、いい面だけではなく問題も
また、ドイツでは高速道路沿いなどの周りに家などが少ないエリアでは風力発電の風車をたくさん見ることができますが、実はここに問題を抱えていて、あまり増やすことができていません。例えばバイエルン州では『200m以上の高さの風車は住居から2km離さなければならない。』という法律が制定されました。これによってバイエルン州の殆どの場所で風車を建設することができなくなりました。以前、どこかの記事でドイツ国内に風車を建てる場所がないから北欧の森林地帯を切り開いてそこに風力発電プラントを建設するというのを見ましたが、それは本末転倒。
また、最近何かと話題でドイツ鉄道ともTwitterでやりあっていた、スウェーデンの “学校を休む” 活動家の少女の影響で、ドイツでも各地で学生たちが地球温暖化防止のデモをしていました。自分に身近な人達の中では参加した人もいないようで、どちらかと言うとバカにしたような意見の方が多く聞かれました。ある意味安心しました。
Traveling on overcrowded trains through Germany. And I’m finally on my way home! pic.twitter.com/ssfLCPsR8o
— Greta Thunberg (@GretaThunberg) December 14, 2019
Greta Thunberg のツイート @GretaThunberg
超満員の列車でドイツを移動中。やっと家に帰るところです!
Noch schöner wäre es gewesen, wenn Du zusätzlich auch berichtet hättest, wie freundlich und kompetent Du von unserem Team an Deinem Sitzplatz in der Ersten Klasse betreut worden bist. #Greta 2/2
— Deutsche Bahn AG (@DB_Presse) December 15, 2019
Deutsche Bahn AG のツイート @DB_Presse
親愛なるグレタ様。 気候変動と闘うわれわれ鉄道労働者を支援してくれてありがとう。土曜日にICE74で私たちと一緒にいてくれてうれしかったです。これは100%グリーン電力です。1/2
1等席で私たちのチームがどれだけ親切で有能だったかを伝えていただけたら、もっとよかったのですが。2/2
ドイツではP&Rも盛ん
ドイツではP&R=パーク・アンド・ライドも積極的に採用されています。残念ながら、ドイツは日本と比べると公共交通機関(特に鉄道網)の駅が近くに無いことも多く、郊外になるとバスに乗って駅にいくことになります。ただし、乗り継ぎが考慮されいないと駅で数十分待たされたりすることもしばしばです。また、都市部は常に渋滞していることも多く、駐車スペースを探すのにも時間がかかります。それによる環境負荷を低減するためにもP&Rは有効な手段と言えるでしょう。
街なかにはトラムが走り回る
ドイツの都市にはトラムが走り回っていることが多いです。だから、郊外の最寄りの駅まで車で行って、そこからトラムに乗って市街地へ行く、そうすると市街地の環境負荷は減ります。自分の住んでいるレバークーゼンは残念ながら十数年前に廃止されてしまったようですが、最近再びトラムを走らせようという意見も出ています。(ボートクラブの会長は『多分30年後とかになると思うよ』って言っていましたが。)P&Rの駐車場が設置されていても、交通量が多いのでケルンのトラムは中心街は地下に入ります。じゃぁ地下鉄を作ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、地下駅を短距離で作るのはコストも掛かりますし、通常の駅間隔で作ってもちょい乗り感覚で使うには不便です。
ドイツ人は自然を大切にする
ドイツ人は自然が大好きです。なのでもちろん自然を大切にする人が多いです。ちなみに、日本は東京や大阪の都市圏ではなかなか自然を感じることができませんが、国土の約68%が森林をしめ先進国の中で2位の面積なんです。これはドイツの約33%よりも多いことになります。ただ、ドイツは市と市の境や街は放射状に広がっていることが多いので外周には小さな森や林のようなものがたくさんあります。そのためより身近に自然と触れ合うことができ、リラックスしたり、ランニングしたりするひとも多く見られます。(もちろん地域差はあります。)まー、東京のど真ん中にある新宿御苑も高層ビル群とのギャップがあっていいけど。