ドイツの漕ぎ方 ―その2
前回に”ドイツの漕ぎ方 ―その1“に引き続き”ドイツの漕ぎ方 ―その2”になります。今回は特にレンジとフィニッシュ周りについて書いていきます。
ドイツはコンパクトなフォーム?
上にも書いたようにドイツへ来て感じた前が短い、キャッチのポジションが浅いことについて。日本にいるときよく言われてきたことが『前も後ろも短くなるな!』たと思います。現にそう指導しているコーチ、そう言われている選手がいると思います。ただ、それは ” That is wrong ” はい、間違えだと思います。特に、レース前のミーティングで練習のときのように前を長くとか、レース中に前を切るな的なことを言うコーチがいると思います。または、クルーでそう話し合うかもしれませんが、“UTのときのドライブの長さをレースレートのときにできるはずがない” これが答えです。日本にいたときにこの答えにたどり着けなかったし、そこまで深く考えたことがなかったので偉そうなことは言えませんが、もっと早く気づいていればって思ったり。もちろん、日本でもスタートやスパートのときはレンジをコントロールして短くすると思いますが、コンスタントに入ってからはどうでしょう?前も後ろも短くなっちゃだめだって思ったりしているかもしれません。本音はいやいや、それどころじゃなーーーい!かな?笑 つまり、何が言いたいかというと下のグラフを見てください。
上のグラフを見てもらえば分かるように、レートが上がるにつれてドライブは短くなる。ということです。日本でもいや、そりゃそうだろって思われたり、そんなの常識だろって思っていたらすみません。そして、もし自分の身体が自然とそう(レートとドライブの関係性)反応していたとしても、たぶん、ドイツで漕いでいるよりも悪い意味でダイナミックになっていたと思います。レンジの長さを意識したとしても特にスタートやその直後ぐらいだけではないでしょうか?だから上のグラフではあえて日本で漕いでいたときのレンジを120%で表しています。ドイツへ来て初めてクルーボートに乗ったとき、『えっ、ドイツ人ちっちゃいの?おれがでかくなった?』って思うほど前が短く感じられたというか短いのです。UTのときでそう感じられるほどなので、レースペースやMAXレートで漕いだときなんか『いや、これハーフスライドやん』って思うほどでした。(これは極端すぎかも…)
フィニッシュはどんな感じ?
キャッチのポジショニングは日本と異なると書きましたが、フィニッシュはどうでしょう。日本ではギザビエさんが来た当初、どちらかというとキャッチを長め、フィニッシュは短めという感じの漕ぎを教えられていたはずです。ドイツではその逆で、キャッチが短め、フィニッシュが長めかなといった印象です。日本でも所属クラブやクルーによって艇のセッティングは変わるかもしれませんが、自分はどちらかと言うと、フィニッシュ周辺が詰まるセッティングを推奨されていました。ドイツに来てからは以前より2-4cmほどピンtoヒールの長さを後ろ(自分に近づける)にして、フィニッシュ周りの余裕を持たしたセッティングにしています。というか、クォドに乗るときなど、それぐらいにしないと振り角が合わないって理由もあります。今回は艇のセッティングについてそこまで深く書きませんが、ハイトに関しても日本では低め低め、低いほうが重心が下がり安定し力が伝わりやすくなると言われてきましたが、ハイトを低くするということはやはりフィニッシュ周りが窮屈になります。なので、以前よりも0.5cm~1cmほど高くしています。
ブレードワークについて
ドイツの漕ぎ方 ―その1と ―その2でドイツで特に印象深かった漕ぎについて大まかに書いてきました。最後にブレードワークについてその1その2に被る部分もありますが少し書いていきます。日本でもよく見られる下のようなブレードワークの図ですが、ドイツではその図にどちらかというと忠実な印象のローイングです。その1で書いた水中についてはほんとにブレード1枚分でそのまま平行移動させます。それによってとにかく素早いドライブにつながる訳です。日本ではキャッチが少しばかり深い印象です。その2で書いたフィニッシュについては、どちらかというと思いっきり抜く感じです。(水中でブレードターンしながらでは無くスクエア状態で抜く)そう、思い切ってと書いたのにも理由があります。これは本当に良いのか個人的には疑問ですが、ドイツではスリーブとローロックの音が結構大きめな印象。フォーワードについては、日本よりも水面との高さが低く感じられますが、コーチが言うイメージは日本と同じ “ブレード1枚分” ってとこでしょうか。
では、今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
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